これまでに介入した理学療法事例を掲載します

事例1:ダウン症児への理学療法

対象:小学生(ダウン症児)

このお子さんは、歩行時にふらつきがあり、体力の低下や足底の回内(足首が内側に倒れやすい状態)など、多くの課題を抱えていました。

私たちは、まず「自分の体を自分で感じ、思い通りに動かす力(ボディイメージ)」を育てることを重視しました。トンネルくぐりやハイハイ遊び、バランス遊びなど、楽しい遊びを取り入れながら、少しずつ段階的にステップアップできるよう工夫しました。

継続的なセッションを通じて、姿勢保持や足の使い方が安定し、歩行時のふらつきが減少。外遊びや学校生活でも自信をもって活動できるようになりました。

また、保護者の方へは日常生活で取り入れられる簡単な運動やサポート方法をお伝えし、家庭と療育が一体となって成長を支える仕組みをつくりました。

成果

  • 歩行の安定性が向上し、転倒が減少
  • 体力がつき、持久力のある活動が可能に
  • 本人の自信が高まり、意欲的にチャレンジする姿勢が見られるようになった

事例2:重度知的障害児への理学療法

対象:3歳児(重度知的障害)

このお子さんは、当初は仰向けの姿勢しかとることができず、足底(足の裏)の感覚がとても敏感で、床に足をつけることができませんでした。そのため、座ることもできず、日常生活での活動が大きく制限されていました。

私たちは、まず安心できる環境を整え、触れられることへの不安を少しずつ和らげるところから始めました。足底にやさしく触れる遊びや感覚あそびを通して、床に足をつける経験を繰り返し積み重ねました。さらに、寝返りや座位保持のトレーニングを段階的に行い、徐々に自分の体を支える力を育てていきました。

継続した支援により、最初はほんの数秒だった座位保持が安定し、自分の力で座ることができるようになりました。その結果、排泄時にはおまるに座って排泄ができるようになり、生活の幅が大きく広がりました。

また、保護者の方へはご家庭でもできる簡単な練習方法をお伝えし、ご家族が一緒に成長を見守り、支えられるようサポートしました。

成果

  • 足底接地が可能になり、座位保持が安定
  • おまるでの排泄が可能になり、自立への一歩を踏み出した
  • 家族が一体となって関わることで、本人の安心感と意欲が向上
  • 生活の自立度が高まり、将来の活動の幅が広がる基盤づくりができた

事例3:発達障害児への理学療法

対象:小学生(不登校・発達障害)

このお子さんは、不登校の状態が続いており、知覚障害や平衡感覚の未発達、そして「自分の体を正しく感じて思い通りに動かす力(ボディイメージ)」の低下が見られました。これらの課題は、姿勢や動きの不安定さにつながり、運動への苦手意識や自信の低下を招いていました。

私たちは、まず遊びを通して体を楽しく動かすことから始めました。バランスボードやトンネル遊びなどを用い、ボディイメージを育てる理学療法、体幹トレーニング、バランストレーニングを段階的に取り入れ、一つひとつ課題をクリアしていけるよう支援しました。

セッションを重ねる中で、できなかった動きが「できた!」に変わるたびに、少しずつ自信を取り戻していきました。最初は動くこと自体に抵抗があったお子さんが、自ら「やってみたい」と挑戦する姿も見られるようになりました。その結果、少しずつ学校にも足を運べるようになり、生活全体にも前向きな変化が広がりました。

また、保護者の方には、家庭での声かけや関わり方の工夫についてもお伝えし、療法士とご家族が一緒にお子さんを支えられる環境づくりを進めました。

成果

  • 体幹とバランスの向上により、運動への苦手意識が軽減
  • 自己肯定感が高まり、挑戦する意欲が育った
  • 学校へ少しずつ通えるようになり、生活リズムが改善
  • 家庭と療法士が連携し、安心して成長できるサポート体制が整った

事例4:放課後等デイサービスでの理学療法支援

対象:小学生(発達グレーゾーン・子どもロコモ該当児)

放課後等デイサービスに通うお子さんを対象に、発達グレーゾーンや子どもロコモ(運動器症候群)に該当する児童への支援を行いました。

このお子さんは、歩行時にふらつきがあり、姿勢が崩れやすいため、長時間座って取り組む活動が苦手でした。また、体をうまくコントロールする力が弱く、運動や集団遊びにも自信が持てない様子が見られました。

私たちは、遊びを通じた支援を中心に、体幹を鍛えるトレーニングや、体を立体的にイメージできる力(ボディイメージ)を高めるためのトンネル遊びなどを実施しました。さらに、外遊びを取り入れて全身をしっかり動かし、楽しく身体づくりができる環境を整えました。

継続的な取り組みにより、歩行時のふらつきが軽減し、活動中の姿勢保持が安定。以前は集中が続かなかった工作活動でも、最後まで座って取り組めるようになりました。本人が「できた!」と感じる経験が増え、運動への自信や意欲が高まっています。

保護者の方には家庭でできる簡単な運動や声かけのポイントを共有し、日常生活全体で成長をサポートできるよう支援しました。

成果

  • 歩行時のふらつきが減少し、姿勢が安定
  • 集中力が向上し、座位での工作活動が継続可能に
  • 運動への苦手意識が軽減し、外遊びにも積極的に参加
  • 保護者と連携し、家庭でも運動習慣が定着